
『いわき時空散走フェスティバル24秋』大野・玉山ツアー
▶ 大野・玉山ツアー『いわき時空散走フェスティバル2024秋』
【日時】2024年10月26日(土)13時~16時半
【集合・解散】ワンダーファーム
【サポーター】松本恵美子(まつもと・えみこ)
▶ツアーコース
(スタート)ワンダーファーム→ 大野第一小学校→ 玉山古墳→ 大野中学校→ 恵日寺→ 会田家(松本さんのご実家)→ KITENさんのコットン畑→ ワンダーファーム(ゴール)
もう3回目となる大野・玉山ツアーですが、毎回違うコースになっておりますよ! 今回は、地元に帰ってきて暮らしている若者たちや、松本さんの妹さんやお知り合いの方などが参加し、笑顔あふれる温かい雰囲気のツアーとなりました。
また、秋ツアーということで、KITENさんのコットン畑にも訪問し、少しコットンの収穫も体験させていただきました!
▶ツアーハイライト
ー 大野第一小学校の裏山は古墳だった!
今回のツアー参加者は地元の方が多く、大野第一小学校に通っていた方も、隣の大野第二小学校に通っていた方もいました。どちらも現在は、閉校しています。
すると、松本さんの妹さんが何か歌いだしたと思ったら、大野第一小学校の校歌でした!!歌詞を今でも覚えている記憶力の凄さ!当時は、毎週のように歌わされていたから体に刻まれているようです。 そして、大野第一小学校の裏山道を進んでいきます!ちょっと坂道ですが、小学生のお子さんも頑張って自転車を漕ぎ、その先には突然『玉山古墳』の看板が登場します。
実はここには、いわき市最大の前方後円墳があるのですが、大野出身の若者によると、ここは友達の家に遊びに行くときの通り道で、気になって探検したそう。ちゃんと古墳の山になっている部分が見えるスポットがあったり、石碑のようなものもあったのも覚えているとのことでした!
「前方後円墳が作られるということは、大和朝廷の豪族などの墓の可能性があるんじゃないか」、「そうだったらかつてはいわきの中心地がここだったんじゃないか」などと、色々と推測しながらわいわいと話しました。
また松本さんによると、玉山という地名は、白い玉が採れたからと言われているそうで、この辺りの岩が白く、遠くから見ると光って見えたのではないかという話もあるそうです。
ー 瀧夜叉姫は、夜叉ではなかった
玉山古墳を越えて、恵日寺へ!実は、玉山古墳には、平将門の娘・滝夜叉姫の墓(詳しくは過去レポートをご覧ください)があるのですが、父の将門が敗死したときに瀧夜叉姫が隠棲したのが奥州・いわきの恵日寺だったという話があります。今回のツアーでも、管理人の高木さんが説明をしながら本堂の中まで案内してくれました。
すると、参加者の小学生の女の子が、瀧夜叉姫のポスターを不思議そうに見つめていました。高木さんが、瀧夜叉姫の物語を簡単に説明してくれました。
高木さん「平将門っていう人の娘さんが、(参加者の女の子と)同じ歳くらいの時に、お父さんが殺されてしまって家来の人たちと一緒にここまで逃げてきて、そして最期までここで暮らしたっていうお話なんだよ。」
自分と同じ歳のお姫様のお話ということが、少し理解できた様子でした。お母さんもほっこり。
また、高木さんによると、『瀧夜叉姫』はあくまでも後からつけられた俗称で、『さつき姫』という名前だったといいます。『夜叉』と聞くと、少し怖いイメージですが、「父の仇を討つために、夜叉になって相手を倒す」そのくらい怖い存在だったというイメージが、江戸時代の舞台、歌舞伎などで膨らんでいったと言われているそうです。
「さつきちゃんっていう女の子が、勝手に夜叉にされているだけのか~」と、我々大人も勉強になりました!
ー KITENさんの畑でコットン収穫体験
最後には、KITENさんのコットン畑にお邪魔し、綿摘み体験をさせていただくことに!
KITENの代表・酒井さんに畑を案内して頂きました。
例年だと、ちょうどコットンの収穫が始まる時期なのですが、今年はまだあまりコットンができていないとのこと。少しだけ綿摘みを体験させてもらい、ふわふわのコットンに皆さん驚いている様子でした!また、今年からアップランド綿と呼ばれる中長綿の品種の栽培を始めたそうです。
酒井さん「今年からアップランド綿と呼ばれる中長綿の品種の栽培をしています。いわき市でのコットンの活動自体は、震災後の2012年から有機栽培でコットンを栽培しています。日本の在来種の品種を育ててきたのですが、そちらは短繊維と呼ばれるもので、日本の紡績工場の機械では100%在来種の糸で紡ぐことができないんです。最大でも20~30%しか入れられないんじゃないかということが分かってきた。」
酒井さん「ここ5~6年は言われなくなりましたが、僕たちが活動を始めた頃って商品に大体5~10%くらいいわきで育てた綿を入れていたんですけど、『5%しか入ってないんだ』って言われることが多くて。それがずっと僕らの中ではジレンマだしトラウマで、『どうせだったらいわき産100%を目指そう』となり、このコロナ禍の間で計画を立て直して、機械に100%いわき産でかけられるように、綿の品種を切り替えたんです。」
実際に畑に来てみると、種まきから収穫まで一つ一つ手で行う大変さ、一つの商品にどれほどの綿と労力が必要かなどを実感し、当たり前に毎日服を着ていますが、自分が着るまでにどんな過程があるのかを考えさせられました。服もなるべく長く、大切に使っていきたいですね。
そしてワンダーファームまで戻ってゴール!
今回のツアーでは、タンデム自転車参加のペアもあったのですが、最後に「乗ってみたい!」という声があったので自転車と交換して乗ってみることに。若者2人、初めてのタンデムに大はしゃぎで楽しそうでした~!
文章:井上栞里(NORERU?広報)