『いわき時空散走フェスティバル2026春』城山・平ツアー
▶ 城山・平ツアー『いわき時空散走フェスティバル2026春』
【日時】2026年5月10日(日)13時~16時
【集合・解散】いわき駅
【サポーター】北林由布子(きたばやし・ゆうこ)

▶ツアーコース
(スタート)いわき駅→ いわき市中央図書館(鈴木百世の展示)→ 鷹匠町周辺→ 磐城平城しろあと公園→ 平第一小学校→ ときわ亭 松ヶ岡公園→ 尼子橋→ 藤田女学校跡→ 平二町目 ひまわり信用金庫→FARO (ゴール)
今回の城山・平ツアーは、磐城平城から城下町へ、歌人・田部君子、デザイナー・鈴木百世、北林さんの祖父・清、同じ時代に平で過ごした三人の生き様を駆け巡りました。また、北林さんが用意したサプライズの数々に、大変驚かされました…!最初のサプライズは、なんと今回のツアー用として、北林さんがマップを自作。コースと立ち寄るスポットなどが分かりやすく書いてあり、デザインもとても可愛い!そして三人の人生年表をまとめたものも作ってきてくれており、ちょうど三人とも平にいる1年があることが分かりました!

そして自転車を置いてまず向かったのは「いわき市中央図書館」です。図書館の常設展で「デザイナー 鈴木百世-知る人ぞ知るいわき人-」が開催されており、鈴木百世さんが手掛けた商品パッケージや鳥観図などの作品を見ることができます。特に菓子などの包装紙のデザインが、色鮮やかでおしゃれで、現代を生きる私たちも、時代を超えて見惚れるものでした。本当に全て素晴らしく、デザインの本質的な部分を考えさせられました。

写真撮影が禁止なので写真はないのですが、会期が延長されて8月末まで開催してますので、まだの方はぜひ行ってみてください!また、鈴木百世さんの展示の隣には、ラトブができる前のいわき駅周辺のジオラマ模型があり、懐かしい風景に参加者のみなさんと(図書館内なので)小声で盛り上がりました。
鈴木 百世 氏
明治34(1901)年、平町(現 いわき市平)生まれ。東京府豊島師範学校(現 東京学芸大学)に入学。教職課程の他に「増科」として好きな科目を選ぶことができたため、美術を学んだ。
その後、東京府(現 東京都)で教職に就き、10年間、教鞭をとったが、体調を崩したことにより、昭和10(1935)年に辞職し帰郷。平町に「鈴木図案社」を開き、妻の実家の菓子店「松屋」の商品パッケージを制作した。昭和12(1937)年、平市市制施行に際して市章のデザインが公募され、これに応募し佳作に選ばれた。このことがきっかけで、鳥瞰図や商店から商品パッケージ等の依頼が増え、多忙となった。また、郷土の工芸品として、素焼きの人形に着色した「じゃんがら人形」の制作にも力を入れた。昭和15(1940)年、再び教職に就くことになり、高坂小学校で教鞭をとったが、昭和17(1942)年、病気のため死去。享年41歳。引用:「デザイナー 鈴木百世-知る人ぞ知るいわき人-」配布資料

その後、今年4月に完成したばかりの「磐城平城しろあと公園」へ!実は、ツアーで城山を巡るようになってから、陰ながら工事の進捗を見守っていたのですが、ついに完成して中に入れるようになりました。公園からの見晴らしはとても良く、駅周辺から城東の方まで見渡せます。見晴らしの良さからここが城だったことを少し実感しました。

公園内には、体験学習施設「緑天庵」があり、磐城平城の歴史を学ぶことができる施設になっています。磐城平城の模型があったり、床には城があった頃の地図が描かれ、映像やパネル展示も充実していました。参加者の皆さんと地図を指さしながら、お喋りが止まりませんでした。子供から大人まで楽しく学べる空間だと思います!


そして、平第一小学校に立ち寄ったあと、ときわ亭前に着くと、北林さんがリュックから取り出したのは、田部君子の顔がついた箱!なんと中には、君子が詠んだ歌のおみくじが綺麗な和紙に包まれて入っています。今回は、君子の「短歌」そのものにフォーカスしたいということで、おみくじをみんなに引いてもらって一つずつ詠むことに。

新緑の木漏れ日に包まれながら、君子の歌を詠み、みんなで歌の意味を紐解いていきます。おみくじ形式で歌を一つ選ぶことで、歌集をそのまま読むより、その一つの歌にじっくり向き合うことができ、自分の身体に君子の歌が入ってくる気がします。君子が見ている世界を体感できるような時間でした!

次に到着した場所は、「尼子橋」。どうしてここに来たのかというと、冒頭にご紹介した鈴木百世さんがデザインしたものの中に、金子屋商店の「アマコバシサイダー」のパッケージがあります。その尼子橋なのです!そして驚くのが、北林さんのリュックから参加者人数分の瓶が出てきて、「アマコバシサイダー」復刻版を自作して持ってきてくれたのです(!?)ツアー中ずっと重たい瓶を背負い続けていたのも、サプライズ仕掛けの多さにも、全員驚きすぎて叫んでいました(笑)みんなで尼子橋を眺めながらアマコバシサイダーを飲み、少し休憩しました。


最後は、君子が通った藤田女学校跡や、北林さんの祖父が元々お店をかまえていた平二町目の近辺からFAROに戻り、現在のFAROに至るまでの歴史や、町の移り変わりなどを写真と共にお話を聞かせてもらいました。

今回のツアーでは、事務局側も知らないサプライズ仕掛けがたくさんあり、参加者の皆さんと同じようにワクワクして、驚いて、楽しみました。また新たにデザイナー鈴木百世さんという偉人も登場し、さらに平の歴史が色づいていくような感覚でした。まだまだ掘り起こされるべき歴史、人、物語がたくさん眠っていそうですね。今後も楽しみです!
写真・文章:井上栞里